近年、日本における基礎研究力の低下が指摘されていますが、不整脈研究の分野も例外ではありません。「日本の不整脈研究の灯が消える」ことへの深い危惧を抱く中で、不整脈研究の重要性を改めて問い直す必要があります。
不整脈の基礎研究やトランスレーショナルリサーチは、医学的・生物学的な側面のみならず、新規治療法の開発といった臨床的課題の解決に直結する極めて重要な領域です。現代では世界中から最新情報を容易に得られるため、「日本で研究する必要はない。海外の成果を取り入れるだけで十分」といった考えが広がる危険性もあります。しかし、その「つけ」はやがて日本の研究基盤そのものに跳ね返り、深刻な影響をもたらすことになると考えます。
かつて、日本は基礎不整脈研究や心臓電気生理学で世界をリードし、それにふさわしい議論の場も数多く存在していました。しかし、研究環境の変化により、そのような貴重な場は失われつつあります。この現状を打破するべく、不整脈研究に関心を持つ有志の協力のもと、Arrhythmia Research Forum を立ち上げました。そして、この第一回フォーラムを2025年4月25日(金)、新緑がまぶしい京都にて開催する運びとなりました。
本フォーラムは、不整脈研究者が交流を深め、他分野の専門家を招いて最新の知見を学び、研究のブレークスルーにつながる場を提供することを目指しています。また、ここでの出会いや議論が新たな発見やネットワーク形成につながり、日本の不整脈研究の未来を支える原動力となることを心より期待しています。
不整脈研究が再び輝きを取り戻し、世界に誇れる成果を生み出していくために、皆様の積極的なご参加をお待ちしております。